議会質問
個人質問‐川本 均
民主・立憲フォーラムの川本 均です。個人質問をさせていただきます。
初めに、孤立・孤独防止対策についてお伺いをいたします。
コロナ禍における長期にわたる外出自粛要請は、高齢者の日常生活に大きな影響を及ぼしており、活動量の低下が筋力の低下を招いていると言われています。また、地域活動の中止や休止に伴い、対面での社会や人とのつながりが薄れ、孤立化や意欲、認知機能の低下、認知症の進行などが懸念されています。独り暮らしの場合、閉じこもりがちになり、持病の悪化や会話ができないストレスから来る不眠や食欲不振など、不調に悩む高齢者は少なくないと考えます。最近では、コロナ孤独死という言葉が出てきたように、本来、課題だった地域のつながりの希薄化に拍車がかかっている状況です。今後さらに高齢者の孤独が進み、地域から取り残されることがないように、市及び関係機関が連携し、家庭内で行える運動の推奨や、地域での対面によらない見守りの工夫などを行い、高齢者がコロナ禍であっても安心・安全に地域で暮らせる取組が必要ではないでしょうか。そこでお伺いをいたします。
本市の高齢者世帯や独り暮らしの高齢者の現状と課題について、また高齢者がフレイルや要介護状態の進行につながらないよう、地域での孤立防止や安否確認など、どのように対応してきたのかお聞かせをください。併せてコロナ禍ではどのような課題が生じ、孤立を防ぐためにどのような新たな工夫をされているのか、お聞かせをください。
次に、加齢性難聴者の補聴器購入助成制度の創設についてお伺いをいたします。
高齢化に伴い、耳の聞こえが悪くなる高齢者が大変増えています。自覚があるなしにかかわらず、聴力が正常の感度よりも下がった状態を難聴といいますが、加齢性難聴は誰でも起こり得る難聴で、高齢者にとって最も一般的な身体機能の低下の1つです。
国立長寿医療研究センターが行った調査によりますと、全国の難聴有病者は65歳以上で約1,500万人、45%になるとのことです。また、日常生活に支障を来す程度とされる難聴者は、70歳を過ぎると3人に1人、80歳代になると3人に2人が難聴との調査が報告されています。難聴になると会話や外出が減り、コミュニケーションがとりづらくなるために、ひきこもりの原因となって、認知症につながっていくとも言われています。そこで数点お伺いをいたします。
1点目、補聴器の使用によって高齢者になっても心身共に健やかに過ごすことができ、ひいては認知症の予防、健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながると考えますが、御所見をお聞かせください。
2点目、高齢者難聴の実態把握についてお聞かせをください。
3点目、高齢者の難聴に関する相談、補聴器購入の相談などの実態についてお聞かせをください。
4点目、身体障害者手帳未所有者は、補聴器購入補助の対象外であります。手帳を取得できない聴力レベルにあり、生活に不便を感じる高齢者はおられます。補聴器は早期からの使用が有効とされていますが、高価であり、高齢者にとって購入が困難であることから、補聴器購入助成制度の創設は必要であると考えますが、御所見をお聞かせください。また、補助の検討はされているのかお聞かせをください。
次に、コロナ禍における子ども食堂などの支援策についてお伺いをいたします。
厚生労働省が発表した2019年国民生活基礎調査によりますと、中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合、子供の貧困率は、18年時点で13.5%で、前回の15年の19.3%から大きな改善は見られず、依然として子供の7人に1人が貧困状態にあるとのことであります。世帯類型型では、コロナ禍において困難を抱えている子育て家庭がさらに増加しているとのことで、母子家庭など大人1人で子供を育てる世帯の貧困率は48.1%に上がり、生活が苦しい実態に置かれております。本市では、子供の夢・未来応援施策基本方針を策定され、庁内横断組織である子供の貧困対策に関するワーキングチームを中心に、取組を進められていると承知しておりますが、現状の取組についてお聞かせをください。
貧困の状況にある子供は、経済的余裕のなさから様々な機会が不足すると予測され、経済的な支援はもちろんのこと、様々な機会を増やすために支援が必要となってきます。その支援の1つとして、地域で行われる無料の学習支援や遊び場の提供、子ども食堂などの子供の居場所づくりがあります。子ども食堂は、何らかの事情によりふだんから食で困っている子供への支援はもちろんのことですが、ネグレクト等、いわゆる虐待の育児放棄、そういった家庭に置かれた子供さんも、食堂に行って親以外の大人の方に励まされ、勇気や希望につながり、また頑張る気持ちにさせることができる大きな役割があります。本市でも子ども食堂の拡大に鋭意取り組まれておられますが、新型コロナウイルス感染症の影響で、支援がやりたくても支援活動ができない現状にあります。そこで数点お伺いをいたします。
1点目、コロナ禍における本市の子供の貧困の現状についてお聞かせをください。
2点目、子ども食堂など活動状況について。また、支援策もお聞かせをください。
3点目、コロナ禍での対策の1つのフードパントリー等の取組についてお聞かせをください。
4点目、コロナ禍で本市として今後どのような支援策をお考えなのかお聞かせをください。
次に、公共施設の管理についてお伺いをいたします。
新型コロナウイルス感染症対策において、リスク回避の1つとして、部屋などにおいては空気の流れをつくり、十分な換気を行うことが推奨されています。特にマスコミ等で二酸化炭素濃度数値を1つの目安として換気を行うことが報道されていますが、二酸化炭素濃度を幾ら以下にするのかということに関しては、きっちりとしたエビデンスがありませんが、いずれにしても空気の入替えをつくることは非常に重要なこととされていることから、できるだけ常時換気ができなくても、最低定期的な換気を行う必要があります。文部科学省からは、持続的な児童・生徒等の教育を受ける権利を保障していくために、コロナ禍において学校において感染及び拡大のリスクを可能な限り低減した上で、学校運営を継続する必要があることとし、そのためにガイドラインを作成し、学校運営の指針を示しています。特に集団感染、いわゆるクラスターを発生させないための対応として、密閉の回避として換気の徹底、密集の回避として身体的距離、ソーシャルディスタンスの確保、密接の場面の対応としてマスクの着用などが挙げられています。
そこで、本市の園や小・中学校でも、新型コロナウイルスの感染リスクを軽減するために換気を行っていると思いますが、具体的な対処についてお聞かせをください。換気するための基準等があるのならお聞かせをください。また、CO2の濃度センサー等を用いた換気対策についての御所見をお聞かせをください。
また、市庁舎には多くの来庁者があり、場所によっては、また時期や時間帯によっては多くの方々でごった返している場面も見受けられます。コロナ禍で市庁舎でも感染対策で、消毒アルコールの設置や、検温器の設置などを行っておりますが、市庁舎における換気についての具体的な対応についてお聞かせください。CO2濃度のセンサー等を用いた換気対策の御見解もお聞かせをください。
最後に、その他といたしまして、2月定例会におきまして質問をさせていただきましたフードトラックによるコロナ禍と災害時を考慮した市民生活の利便性の向上の仕組みづくりについての、その後の取組についてお伺いをいたします。
先行市の取組状況を参考に、市内事業者の参画可能性や地域経済への影響なども含めて事業展開の支援について検討してまいりますとの御答弁を頂いておりますが、市内事業者の参画の可能性は探られたのでしょうか。可能性はどうだったのか。現時点の取組状況をお聞かせください。補助金助成を含めた事業展開の支援についてのお考えをお聞かせをください。
以上で1回目の質問を終わります。
【福祉部長 答弁】孤立・孤独防止対策について、加齢性難聴について
高齢者世帯や独り暮らし高齢者の現状としましては、外出を控える期間が続いたことによる下肢筋力や認知機能の低下、社会参加の減少等を心配する声が、地域包括支援センターに届いております。地域包括支援センターでは、吹田市社会福祉協議会や民生児童委員の見守り活動と連携したアプローチなど、孤立の防止等に取り組んでいるところです。
コロナ禍における新たな取組としまして、通いや集いの場が中止となったことを受け、自宅でのフレイル予防を目的に、体操動画やレシピ集を市ホームページで公開しましたが、高齢者のICTの活用が課題となっております。ICTの活用は孤立防止にもつながることから、今後、介護予防事業等を活用した高齢者のICTリテラシー向上の取組を進めてまいります。
次に、加齢性難聴につきまして、日常生活で支障のある難聴者の割合は、70歳代男性で5人に1人、女性で10人に1人と推計されており、加齢とともにその割合はさらに増加します。また、令和2年(2020年)11月に公開されました国の研究事業では、難聴があると認知機能の低下の合併が1.6倍多いという結果が示されており、補聴器の使用が認知症予防及び健康寿命の延伸につながるものと認識しております。
高齢者難聴の実態につきましては十分に把握できておりませんが、保健センターが実施した令和2年度の聴力検診では、162人中68人について難聴の疑いがあるとの結果でした。難聴に関する相談につきましては、地域包括支援センター等では補聴器を取り扱う事業者並びに医療費控除、難聴の程度に応じて障害福祉制度について情報提供するなど、必要な支援を実施しております。
最後に、補聴器については、加齢に伴って必要となる老眼鏡などと同様、購入費の助成制度の対象にならないと考えております。しかしながら、加齢性難聴は認知症のリスクであることを踏まえ、介護予防事業等、あらゆる機会を活用してその啓発を行うとともに、保健センターと連携して聴力検診の受診勧奨を行い、加齢性難聴の早期発見と実態把握に努めてまいります。
以上でございます。
【児童部長 答弁】コロナ禍における子ども食堂などの支援策について、フードパントリー等の取組について、公共施設の換気について
初めに、子供の貧困対策に関する庁内ワーキングにつきましては、吹田市子供の夢・未来応援施策基本方針に、子供の貧困対策に資するとして位置づけた各室課の既存事業や施策の進捗状況及び課題等について情報共有を図っております。
次に、子供の貧困の現状について、コロナ禍における実態把握はできておりませんが、市報やホームページで子ども食堂などの情報発信に努めているところでございます。現在、市内に6か所ある子ども食堂では、コロナ禍の影響で弁当等の配付といった方法に切り替えて活動されている団体もございます。各団体に対しては、社会福祉協議会や企業などからの寄附の情報提供を行っております。また、昨年度からは新たに子ども食堂を開設しようとする団体に対する開設補助金制度を立ち上げ、支援しております。
次に、フードパントリー等の取組につきましては、関係部局で実施しているフードドライブにより集まった食材情報を随時、子ども食堂へ提供しております。今後におきましてもこれらの取組を継続するとともに、貧困の状況にある子供や保護者の実態に合わせた必要な施策を講じてまいりたいと考えております。
続きまして、公共施設の換気についてでございますが、保育園、幼稚園等におきましては、国が示す衛生管理マニュアルなどに従い、換気の徹底を図っております。具体的には30分間に1回以上、数分間程度窓を全開にしたり、なるべく部屋の対角線上に当たる窓を開け、空気の流れをつくるなどして、密閉の回避を行っております。CO2の濃度センサー等につきましては、現時点では使用の検討はしておりません。
以上でございます。
【教育監 答弁】小・中学校での換気対策について
小・中学校での換気対策及びその基準は、文部科学省の学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルに沿い、対角の窓を開けての常時換気の方法や、常時換気が困難な場合には30分に1回以上、数分間程度窓を全開するよう指導しております。また、CO2濃度は年に2回、学校薬剤師による検査を行っており、児童・生徒が安心して過ごせる学校環境づくりに努めております。
以上でございます。
【総務部長 答弁】本庁舎の換気について
本庁舎の換気について総務部より御答弁申し上げます。
新型コロナウイルス感染症対策には、定期的な換気を行うことが重要なため、来庁者の多いロビー等の窓を開放し、また換気を促す庁内放送を1日3回行うとともに、通常時よりも外気の割合を高めて空調を運転いたしております。なお、本庁舎におきましては、ビル管理法に定める空気環境測定を2か月ごとに実施いたしておりまして、CO2濃度を含め、空気清浄度の基準はいずれも満たしております。また、暖房運転期間中、昨年12月から3月までの間、CO2濃度を毎日測定いたしましたが、全て基準を満たしておりました。
以上でございます。
【都市魅力部長 答弁】フードトラックについて
フードトラック、いわゆるキッチンカーの実施につきましては、現在、市とキッチンカーの取りまとめを行う事業者との協力による社会実験に向け、準備を進めております。この間、公園や市営住宅などを管理する所管との協議を行い、市有地等の利用条件を確認いたしました。並行して取りまとめ事業者との間で、市と事業者の役割分担等について議論をしております。市内のキッチンカー実施事業者の出店につきましても、前向きに調整しております。できるだけ速やかに条件等を整理し、社会実験を実施に移したいと考えております。
キッチンカーの実施には専用車両の調達や場所の確保等に経費が必要となることから、こうした部分への助成が考えられますが、まずは社会実験の実施を優先したいと考えております。また、コロナ禍により様々な業種において事業転換や体制強化等が必要となっておりますことから、補助金等の制度構築に当たりましては、こうした視点も持ちながら検討してまいります。
以上でございます。
- 最新の投稿