議会質問
個人質問‐川本 均
民主・立憲フォーラムの川本均でございます。個人質問を行います。
まず、道路政策についてお伺いをいたします。道路は、都市基盤施設として位置付けられ、その所有形態によって公道と私道に分かれ、機能によって幹線道路と生活道路というふうに分かれています。また、役割として大きく交通機能、土地利用誘導機能、空間機能の三つの機能があるとされています。一方で、現実問題として道路の整備を進めていくことは、権利関係や法令上の制限などの壁があり、並大抵なことではありませんが、私は安心、安全なまちづくりのためにも、さらに道路網を整備し充実させ、道路の持つ機能強化を図っていくことは、必要不可欠であると考えております。
都市計画道路などの幹線道路は、積極的に事業が進めてられており、地域の発展に寄与されています。これに対し、生活道路はなかなか整備が進んでいないように思われ、すれ違いが困難な狭隘な道路や、多くの人が通っているにもかかわらず、私道として存在するなどの問題があると思っております。
まず、狭隘な道路の整備計画はあるのでしょうか。また、担当部局はどこなのかお伺いをいたします。私道を市道に寄附する際の条件お聞かせをください。持ち主は寄附をしたくても、寄附の条件が厳しく寄附ができず、路面状態が通行に支障あるにもかかわらず放置されている私道が市内に多く存在しています。私道の中には公共下水道管などを地主の許可、承諾を得た上で埋設しているケースがあります。本市が積極的に整備をしていくことにより、道路や地下埋設物という公共財産をより生かす観点からも、寄附条件を緩和され、積極的に寄附を受けられ、整備すべきと考えますが、担当部局並びに副市長の御所見をお聞かせをください。
以前の議会答弁に、寄附条件の緩和については、寄附受理後の維持管理をしていくことを考慮しますと、大幅に緩和することは困難ですが、事案ごとに十分な調査、検討を行い、土地所有者の負担軽減に資するよう努めてまいりたいと考えておりますとの御答弁をいただいていますが、このような事案はあったのでしょうか、お聞かせをください。
次に、住宅用火災警報器の設置状況等についてお伺いをいたします。火災が発生しやすい季節を迎えるに当たり、火災予防意識の一層の普及を図ることで、火災の発生を防止し、高齢者等を中心とする死者の発生を減少させるとともに、財産の損失を防ぐことを目的として、今年度は、令和3年11月9日火曜日
から11月15日月曜までの七日間、秋の全国火災予防運動が実施されています。
期間中は、住宅防火いのちを守る10のポイントとして、寝たばこは、絶対にしない、させないなど4項目を四つの習慣として、また、火災の発生を防ぐために、ストーブやこんろ等は安全装置の付いた機器を使用するなど6項目を三つの対策として、市内各施設へ予防査察、住宅防火啓発、消防車両等による広報活動等を実施されています。
六つの対策の一つに、火災の早期発見のために、住宅用火災警報器を定期的に点検し、10年を目安に交換する対策も掲げています。そこで数点お伺いをいたします。
1点目、平成16年、消防法が改正され、本市では平成23年6月1日以降、全ての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務化され、普及が進んでいる状況かと思います。しかし、義務化から10年以上経過し、当初設置された住宅では既に煙を検知する機能の低下や電池切れで本体や電池の交換を行った住宅もあると思いますが、現在、住宅用火災警報器の設置状況等について全国、大阪府、北摂各市の状況をお聞かせをください。
2点目、住宅用火災警報器を設置している場合の失火を原因とした住宅火災の効果についてまた、本市において奏功事例があればお聞かせをください。
3点目、設置率向上のための取組についてお聞かせをください。
4点目、定期的な点検の実施方法として、防災訓練の日など、年1回、日を決めて、御近所や自治会と連携し、市全体で実施するような取組を行われてはどうでしょうか。
次に、ヤングケアラーについてお伺いをいたします。
ヤングケアラーとは、高齢者や障がいのある方、病気など、家族に認知症や介護を必要とする人がいる場合、子供でありながら、大人が担っている介護を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子供のことと言われております。
厚生労働省や文部科学省は、去年の12月から今年の1月にかけて初めて実態調査を行いました。公立の中学校1,000校と、全日制の高校350校を抽出して、2年生にインターネットでアンケートを行い、合わせておよそ1万3,000人から回答を得ています。4月12日、国のプロジェクトチームの会合で調査結果が公表され、世話をしている家族がいるという生徒の割合は、中学生が5.7%で、およそ17人に一人、全日制の高校の生徒が4.1%で、およそ24人に一人でした。
内容は、食事の準備や洗濯などの家事が多く、ほかにも家族を保育園に送迎したり、祖父母の介護や見守りをしたりと多岐にわたっています。
世話にかけている時間は平日1日の平均で、中学生が4時間、高校生は3.8時間でした。1日に7時間以上を世話に費やしている生徒が1割を超えていたということであります。まず、市のヤングケアラーについての現状認識についてお聞かせをください。
ヤングケアラーと思われる子供がいた場合、どんな対応を行っているのかお聞かせをください。
ヤングケアラーは、子供が健やかに育ち学ぶ機会を奪い、長期的な影響をも及ぼす問題であると認識しています。介護のために子供たちの教育の権利が保障されないことについて、教育委員会の御見解をお聞かせをください。
以前の同僚議員の質問のやり取りで、実態について把握していないとの御答弁がありましたが、ヤングケアラーと思われる子供を早期発見し、対応できる仕組みづくりの検討を行うために、本格的な実態調査を行うべきではないかと考えますが、御所見をお聞かせください。
ヤングケアラーの相談、支援は、家庭児童相談所、学校では、教職員初め、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどで対応されていますが、福祉部局との連携して支援する体制も必要ではないでしょうか、御見解をお聞かせをください。
全国調査の結果から、ヤングケアラーである子供自身やその家族がヤングケアラーという問題を認識していないとありますが、ヤングケアラーの自身が相談する場の提供とともに、保護者の相談も相談できる体制が必要であると思いますが、市長並びに担当部局の御所見をお聞かせをください。
最後に、ヤングケアラーの可能性を早期に確認するための課題についてお聞かせをください。
次に、吹田市まちなかキッチンカー事業についてお伺いをいたします。
吹田市まちなかキッチンカー事業は社会実験として、キッチンカーコーディネート事業者2社とそれぞれに覚書を交わし、市内のキッチンカーの需要を確認するとともに、長引くコロナ禍で、苦しい状況にある飲食関連の事業者に事業活動の場を提供する目的で、第1期として8月1日から11月30日の間、いずみの園公園のほか4か所の公園等で定期的にキッチンカーを初めとした店舗型のモビリティを出店する事業が行われました。
そこで、お伺いをいたします。今回の社会実験の市民の反響はどうだったのか。また、市としてどのような評価をされているのか。課題について、どのように捉えられておられるのか。また、今後の事業展開についてもお聞かせをください。
以上で、1回目の質問を終わります。
【土木部長 答弁】道路政策について
まずは、道路政策について、担当の土木部より御答弁申し上げます。
狭隘な道路の整備計画ついてはございませんが、土木部が管理している道路において、建築基準法第42条2項に規定される道路における、建て替え時等に中心後退部分の土地所有者から寄附を頂いた用地に対して、市が直接寄附用地の測量を行い、狭小幅員整備工事として側溝整備などを行い、道路拡幅に取り組んでおります。これらの手法は、近隣市でもあまり事例のない吹田市独自の事業として過去から取り組んでおり、4mの道路幅員確保に寄与していると考えております。
次に、私道の寄附条件については、原則として、道路幅員が4m以上あること、路面状態が通行に支障のないこと、排水機能が備わっていることなどとしております。
また、本市においては行き止まり道路についても、管理上問題のない道路につきましては、積極的に寄附を頂いており、近隣市と比べて同等以上のものであることから、その条の緩和に関しましては難しいものと考えております。ただし、私道については、管理等において、いろいろな問題を抱えておられることも承知しており、事案ごとに道路が整備された背景や周辺状況などを調査、確認して、周辺状況から公共施設につながっているものなど公道化していく必要性があれば、慎重に検討し、判断してまいりたいと考えております。
また、平成28年5月定例会以降において、その事案に該当する寄附を頂いたものはございません。
以上でございます。
【消防長 答弁】住宅用火災警報器の設置状況等について
住宅用火災警報器の設置状況等について数点の御質問につきまして御答弁申し上げます。
まずは、住宅用火災警報器の設置率でございますが、令和3年(2021年)6月1日現在では、全国で83.1%、大阪府で81.2%、本市は、85%でございます。
北摂各市町では、豊中市86%、高槻市85%、池田市83%、箕面市85%、摂津市67%、島本町77%となっております。
なお、茨木市はコロナ禍により設置率調査を実施されておりません。
次に、住宅用火災警報器の効果といたしましては、総務省消防庁の分析によりますと、住宅用火災警報器を設置している場合は、設置していない場合に比べ、死者数、焼損床面積は半減しており、損害額はおおむね4割の減少となっております。
また、本市における奏功事例としましては、鍋をこんろにかけたまま外出してしまったが、近隣住民が住宅用火災警報器の警報音に気づき、早期の通報、初期消火を実施し、大事に至らなかったという事案がございました。
次に、設置率向上の取組につきましては、市報すいた、消防本部ホームページ、FM千里などのメディアによるもの、及び火災予防運動期間中の住宅防火訪問や消防音楽隊の演奏活動等、各種イベント開催の機会を捉えて広報を実施しております。
最後に、住宅用火災警報器の定期的な点検の実施方法の啓発につきましては、地域防災訓練や消防フェアなどのイベント時に啓発コーナーを設けて実施しておりますが、さらに全市合同防災訓練時に警報器の点検を訓練項目の一つに加えるなど関係部局と調整してまいります。
以上でございます。
【理事 答弁】ヤングケアラーについて
ヤングケアラーに関する数点の御質問につきまして児童部担当より御答弁申し上げます。
まず、ヤングケアラーにつきましては、大人が担うような家事や家族の世話などを日常的に行うことが、本来の子供らしい生活に影響を及ぼすことが問題であり、教育、福祉、医療など様々な分野にまたがる複合的な課題であると認識しております。
次に、ヤングケアラーと思われる子供を把握した場合は、その置かれている状況に応じ、関係する機関が連携しながら、適切な相談窓口や福祉サービスにつなぐなどの支援を行っております。
次に、実態調査につきましては、国や大阪府が行っている調査結果等を踏まえ、実施の必要性や手法等について検討してまいります。
次に、福祉部局との連携についてでございますが、ヤングケアラーへの支援策として、介護や障がい福祉サービスにつなぐなどの必要があると思われる家庭を把握した場合は、福祉部と連携しながら支援に努めております。
次に、保護者も相談できる体制についてでございますが、保護者を含め、家庭が抱える悩みや困難な状況について、身近な場所で気軽に安心して相談できる環境を整えていくことが必要であると考えております。
最後に、ヤングケアラーの可能性を早期に確認するための課題についてでございますが、まずは子供と関わる周囲の大人が、子供の置かれている状況に早期に気づき、子供の思いに寄り添いながら適切な支援につないでいけるよう、この問題の社会的認知度を高めていくことが求められていると考えております。
以上でございます。
【教育監 答弁】ヤングケアラーについて
本市小・中学校におきましては、まずは当該児童・生徒が抱えている様々な家庭状況やその背景を、担任を中心とする教職員が丁寧に把握をいたします。
その上で、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー等の専門家と協働してアセスメントを行い、必要に応じて当該児童・生徒やその御家族に対する適切な支援を行う関係機関につなぐよう対応しております。
次に、ヤングケアラーの問題に限らず、子供が教育を受ける権利は守られるべきであり、児童、生徒の個別事情にも配慮しながら、安心、安全に学ぶことができるよう、取り組んでおります。
次に、福祉部局を含め、関係部局との連携は重要であると認識しており、緊密な連携の要としてスクールソーシャルワーカーの配置・拡充に努めているところでございます。
最後に、これまでも教職員が家庭環境等に係る保護者の思いを受け止め、それぞれの家庭状況に応じた適切な相談機関や支援につなげてまいりました。
引き続き、教職員が、ヤングケアラーを含む様々な社会的課題についての理解を深め、組織的な対応による支援につながるよう、研修や体制構築に努めてまいります。
以上でございます。
【都市魅力部長 答弁】吹田市まちなかキッチンカー事業について
吹田市まちなかキッチンカー事業につきまして御答弁申し上げます。
キッチンカー利用者へのアンケートによりますと、リピーターもおられ、おおむね好評をいただいております。
所管といたしましては、キッチンカー出店に関する手続や調整事項について整理ができ、また、場所ごとのニーズについて把握が進んでいるところでございます。
課題といたしましては、発電機の騒音や、ごみ、人の滞留や密状態などの苦情、また、出店場所によっては、事業者が期待した売上げが上がらなかったことなどが挙げられます。
今月から、第2期の社会実験を、一部実施場所を変更して行っております。出店場所や、季節によるニーズの違いなどについて情報収集を進めるとともに、新たな出店場所について調査、研究を進めてまいります。
以上でございます。
【副市長 答弁】道路政策について
道路政策についてお答えいたします。
狭隘な道路の対応については、交通面及び防災面において重要な課題であると認識しており、従来から本市が管理する道路の幅員確保に積極的に取り組んでおります。
次に、私道の寄附につきましては、担当部の答弁のとおり、一定の条件の下、精力的に取り組んでいるところですが、他市の状況からも寄附に対する条件を緩和することについては困難であると考えております。
しかしながら、過去から私道に関しては、管理等において様々な課題があるということも認識しており、公道化につきましては事案ごとに必要に応じて慎重に検討するよう、土木部に指示してまいります。
以上でございます。
【市長 答弁】
ヤングケアラーの課題について御質問いただきました。非常に心が痛みます。
私が育った昭和の時代ではこういう言葉はありませんでしたし、ひょっとしたらそういうケースがレアで、レアにあったのかもしれませんが、それは恐らく御近所力で解決をしてきたのかなという気もします。
現在こうして社会問題になる背景としましては、一つは、こと吹田において、非常に高い核家族化率があります。それから、長寿命化。日本でほぼトップの長寿命社会になってます。それから、離婚率の増加、共働き世帯の増加、これらが指摘をされてます。また、地域のつながりが弱体化したっていうのは、それは物理的にも集合住宅が多い中では、ある意味やむを得ない状況にあります。
こういう吹田において、私が思うのは、困ったときはまず相談相手がいないときは、市役所に相談してほしいっていうのが基本なんですけれども、一般的にやっぱりその市役所のハードルっていうのは高いと思います。いきなり市役所に電話してっていうのは、彼らに求めるのは私は酷やと思っています。
その意味で、そのハードルを低くする取組、それには地域社会と行政との協働の取組っていうのは必ず必要やと思っておりまして、場合によっては相談を待つのではなくて、地域社会からアプローチをするプッシュ型のサポートというのが必要な段階に来てるんではないかと思っております。
先ほどから、担当部長から御答弁させていただいておりますように、相談ができる場、また、家庭、全体の悩みを受け取れるような環境の強化策をしっかりと検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
議長のお許しを頂きまして、2回目、要望をさせていただきたいと思います。
まず、道路政策についてですが、なかなか難しい問題だなということで、私も以前から悩んでたんですけども、今回も一応お聞きしたいということで質問させていただきました。市が道路を舗装するのは公道に限っており、私道の舗装は所有者からの寄附が前提となるということですけども、御答弁にありましたように、原則でのことでありますけども、全ての要件が整うことが寄附の条件になると、かなり厳しい基準だと感じております。もちろん一定の基準がなけ
れば、公費を私道に投入するわけですから、これは当然のことですが、ただ、類似の概念で固定資産税における公衆用道路という考え方があります。地方税法は、私道でも公共の用に供するもの、例えば通り抜け道路のように、公道から公道へ抜けることが可能となっている私道、通り抜け道路のように不特定多数の方の通行の用に供されている場合においては、公衆用道路として固定資産税の課税対象から外れるというふうになっています。また、財産評価基本通達の第24条では、その私道が不特定多数の者の通行の用に供されているときは、その私道の価格は評価しないというふうにされており、相続税法上、負担も削られているいうことになっております。当然これも条件がありますけれども、いずれの条件も、掲げていただいた条件よりは文言上はかなり軽いものとなっております。
重要なことは、一般の人たちが利用しているかどうかが公衆性だと思っています。そもそもその道路がほかの公道と同様になっているかどうかということを条件として求めるのは、やや逆ではないでしょうか。吹田市内には4m以下の道路、排水設備が整ってない道路、また、先ほど触れました狭隘な道路が存在しております。一般の方が毎日のように往来しているから、公道と同様に市が舗装することなどで、安全性を一定程度保障してますということが最優先ではないかと思ってます。どうか、寄附の基準を緩和と併せて私道の舗装の公費負担についての前向きな御検討をお願いをしておきます。
次に、住宅用火災警報器の設置状況等についてですが、警報器が正しく設置され、適正に維持管理されることは、住宅火災から尊い命と大切な財産を守ることに直結し、設置率が高いことは、防火に対する意識が高く、地域全体の安全、安心につながるものであります。
一度も点検を実施していない家庭もあるとのことですが、やはり一般家庭には消防検査が義務づけられていないこともあり、せっかく設置していただいても機能低下やあるいは電池切れなどにより、いざというとき機能しなければ何もなりません。より効果的な点検の実施を求めておきます。
以上、要望させていただき、質問を終わります。
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