議会質問
個人質問‐山本 力
民主立憲フォーラムの山本 力でございます。個人質問を行わさせていただきます。
まず1番目は、吹田市における少人数学級の実現、そしてダブルカウント制度実施を要望するものでございますが、この件について以下、質問いたします。
去る7月には全国知事会・全国市長会・町村会の地方3団体が、少人数学級の編成に向けた環境整備を求める緊急提言を文科省に提出されております。提言では現在の40人学級では感染症予防が困難であるということ。また、GIGAスクール構想についても少人数指導体制の必要性に言及しております。このような機運の高まりの中、9月に文科省も30人学級の実現に向けた試算を公表し、来年度の概算要求に取り組まれているようでございますが、まだ少人数学級編成の実現時期については明確ではありません。11月13日に、吹田市独自の少人数学級施策を求める陳情書が市長、教育長、議長に提出されております。
1番目には、小学校3年以降の全ての学校での計画的な少人数学級の実現。2番目、早期にダブルカウント制を小・中学校全学年に適用することを要望しておられます。大阪府下で吹田市と同じ中核市である高槻市では2013年から小学校全ての学年で35人学級であり、豊中市でも今年から3年計画で小学校の35人学級を目指しております。枚方市では小4までは35人学級、5、6年では40人以下の学級としております。9月定例会において他会派、同僚議員から本件についての質疑がありました。少人数学級実現に対する現時点での吹田市教育委員会のスタンスとしては、少人数学級の様々な教育効果は認識しているが、少人数学級編成について、国、府へ要望しており、その動向を注視しているということでございますが、その要望の手応えはどのようなものございましょうか。もし、国、府の動きを待っていては早期の少人数学級編成が難しいということであれば吹田市独自の取組も要請されるところですが、どのようにお考えでしょうか。検討されているとすれば、これに係る教職員など配置の体制、及び校舎増築など必要財源はどのようになるでしょうか。吹田市では支援学級児童、生徒は通常学級でカウントをしないため、学級上限の40人を超える要因になっており、小学校で49学級、中学校で21学級、合計70学級が41人を超えているとお聞きをしております。少人数学級編成ができない現在の状況でもダブルカウントすれば少なくとも41人以上の過密な状況は回避できますがどのようにお考えでしょうか。枚方市などで実施されている、ダブルカウント制度を実施すべきですが御所見をお聞きいたします。
2番目の質問です。シェアサイクル事業導入に向けた実証実験についてお伺いいたします。
吹田市において、来年1月15日から令和6年3月31日までの間、シェアサイクル事業導入に向けた実証実験を開始されることは評価をしております。コミュニティサイクルを導入することにより、まちの回遊性向上や地域の活性化、自動車移動の減少によるCO2削減効果、また、健康増進なども期待できます。
吹田市ではサイクルポートは18か所からスタートされますが、去年11月から先行してシェアサイクル実証実験に取り組んでいる豊中市ではサイクルポート数は、当初の27か所から45か所に、自転車台数は、70台から170台と、サービスは順調に拡大しており、利用回数は、11月の1,123回から6月の3,483回と3.1倍に、利用者数は、昨年11月の390人から、今年6月の870人と2.2倍に増加しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大後も、3密とならないシェアサイクルは増加傾向にあるということです。サイクルポートについては市内の各拠点にバランスよく配置すれば、利便性も高まることになりますので今後、増設にも取り組まれたいと存じます。また、このたび、吹田市でもシェアサイクル実験を始められるに当たり、市民、市役所関係各位にPRを積極的に行っていただくことが必要でありますが、御所見をお伺いいたします。
3番目の質問、海外友好交流都市、スリランカ、モラトワ市、及びオーストラリア、カンタベリーバンクスタウン市との交流事業の促進についてお尋ねをいたします。
10月の決算常任委員会の質問でも取り上げていましたが、オーストラリア、カンタベリーバンクスタウン、これは平成元年(1989年)提携ですが、との交流事業は提携当初と比べ、近年減少してきております。2016年5月にバンクスタウン市が隣接するカンタベリー市と合併して以降、目立った交流はできていない状況です。現在は世界的な新型コロナウイルス禍により、直接対面しての交流が難しい状況でありますが、オンラインなどでの連絡を進めるなどして、相互の情報交換、交流を図るべきであります。また、今後の両市の交流事業については、安全に往来できるようになる時期になれば、両市交流が市民参加もある中で、将来に向け継続発展できるよう、多彩な交流事業を再構築していくべきであると考えますが、担当部、市長の御所見をお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。なお質問項目に挙げておりました地域交通施策については、今回は取消しをいたします。ありがとうございます。
【教育監 答弁】少人数学級編成に係る要望に対する現況について
少人数学級編成に係る要望に対する現況は、文部科学省において、学校における働き方改革と少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備を図るための次年度に向けた予算が計上されているところでございます。また大阪府では、国に対して定数改善計画を求めるとともに、措置される定数を確保・活用し、各学校の様々な教育課題への支援に資するよう、取組を進めているとのことでございます。
仮に今年度、1学級当たりの基準を35人とした際に必要となる経費を概算した場合、小・中学校合わせて74学級増加することになり、教職員1人当たりに係る給与を大阪府の公表データに基づき年間約520万円とすると、約3億8,500万円が必要となります。加えて、校舎の増築が必要となった場合には、国庫負担金事業には該当せず、市単費での実施となります。さらに、ICT機器や空調をはじめとする備品整備等の財源も必要となります。支援学級在籍児童、生徒を通常学級でカウントするいわゆるダブルカウントを含め、市独自で学級編制を実施する場合、教員等の人材確保や児童、生徒数の増加を踏まえた計画的な環境整備が長期にわたり必要であることから、直ちに実施することは困難であると認識しております。
以上でございます。
【土木部長 答弁】シェアサイクル事業導入に向けた実証実験について
シェアサイクル事業導入に向けた実証実験につきまして、現在は各自転車駐車場や市民ホールなどの公共施設のみに設置予定となっており、今後は利便性を高めるため、民間施設も含めて、サイクルポートの増設に努めてまいります。
また、本事業のPRにつきましては、ホームページや広報誌、デジタルサイネージなどを積極的に活用し、庁内をはじめ、広く市民への周知を努めてまいります。
以上でございます。
【都市魅力部長 答弁】海外友好交流都市、スリランカ、モラトワ市、及びオーストラリア、カンタベリーバンクスタウン市との交流事業の促進について
カンタベリーバンクスタウン市とは、本年4月に開催する予定でありました市制施行80周年記念式典への参加に向けまして、昨年11月からメールとオンラインによる調整を図っておりまして、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため来吹はかないませんでしたが、これを契機に今後とも継続して情報交換等を行っていくことを確認しているところでございます。今後の交流につきましては、直接行き来することだけでなく、例えば、お互いの市を紹介するものを市民に見ていただく場を設けたり、オンラインを使って顔が見える交流を行うなど、両市の良好な関係を継続できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
【市長 答弁】友好交流都市との交流事業について
2点御質問いただきました。初めに友好交流都市との交流事業についての御質問でございますが、国際的な友好交流都市提携について双方に文化的、教育的、行政的、経済的な効果がもたらされる効果につきまして、今もその意義は一定認められるものではございますが、住民や自治体に国際交流の手段が少なかった時代と現代では制度の合理性を整理をし、見直すことも必要ではないかと思うところでございます。
引き続き、自治体間のみならず、団体間、市民間、それぞれにおいて交流の今日的意義を整理をしつつ、既に始まっているICT技術を活用した多文化共生文化の促進に力を入れてまいります。
1点でした。すいません。以上でございます。
少人数学級及びダブルカウントにつきまして、再度質問をさせていただきます。
35人学級を直ちに市独自で進める場合についての概算教職員費、市単費約3億8,500万円。またそれ以外の経費を含めて、長期的な負担があり、直ちに実施するのは困難との答弁がありましたが、段階的な実施も困難なのか、お尋ねをしておきます。大阪府下の10市ほどで行われている少人数学級について、吹田市の財政力からは本当に難しいのかどうか。総合教育会議を教育委員会と構成している市長として、この少人数学級実現の課題については、どのような御所感を持ちなのか、お尋ねをしておきたいと思います。また、ダブルカウントを実施していないために起きている41人以上学級の問題についてですが、35人以下の少人数学級実現も含め、段階的に可能な学年からダブルカウントを実施していくことも検討されてはどうかなと考えておりますけれども、この点についても御所見をお尋ねいたします。
以上で2回目の質問を終わります。
【教育監 答弁】少人数学級及びダブルカウントについて
まずは、担当から御御答弁申し上げます。少人数学級編制は、きめ細かな指導や支援を行うために有効な方途であることから、これまで国・府に対して継続して要望を行ってまいりました。御質問の、いわゆるダブルカウントを含め、市独自の学級編制を実施するとなると、信頼に足る人材の確保や施設整備に大きな財源が必要となることは、先ほど御答弁させていただいたとおりでございます。
しかしながら、様々な課題解決に向けた検討は必要であると認識しており、まずは、教員の加配定数を積極的に少人数学級編制に活用することを促し、課題解消校を1校でも多く実現することに努めてまいります。
以上でございます。
【市長 答弁】少人数学級及びダブルカウントについて
私自身は、現在の1学級当たりの児童、生徒数は見直す必要を感じているところでございます。現在の教育に関する府教委と市教委のある意味重なった行政の枠組みでは、吹田市教育委員会の権限において本市の子供にとって最適な教育環境を提供し得ない現状があり、総合教育会議において、吹田の子供たちには、中核市たる吹田市が教育責任を果たすという考えの下、府教委からの教職員の人事権、さらには財源とセットでの教育権限全般の移譲について協議を始めたところございます。
以上でございます。